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副院長のつぶやき
副院長 林 行雄
お家騒動
2015年3月6日 つぶやき71
江戸時代にお殿様の跡取りや藩政の運営をめぐって兄弟や親類、家臣を巻き込んで争うものというのがもともとの言葉の意味で、この時代には多くのお家騒動があったことが知られています。その中でも仙台(伊達家)、福岡(黒田家)、加賀(前田家)の3家の騒動は3大お家騒動と言われています。3家とも名だたる家柄であることはいずれもNHK大河ドラマがその礎を築いた初代の殿様を取り上げていたことでも明らかです。伊達家に至っては大昔(私が小6のころ)に伊達騒動そのものを取り上げた“樅の木は残った”が放送されていました。歴史好きの少年にとっても登場人物が多くて、そのそれぞれの人物像やその役割が理解できず、途中でみなくなりました。そりゃ、出てくる人物が誰一人として歴史の表舞台に出てくるような有名な人はいないし、主人公である原田甲斐もだれそれ?という具合でしたので所詮無理な話でした。しかし、母は話の展開が面白いと言って、前年の”天と地と“より熱心にみていたことを覚えております。要は大人のドラマだったようで。

このお家騒動という言葉、現在でも大きな会社や大学等でのもめごとを揶揄するのに使われます。最近では大塚家具のお家騒動がネット上のニュースやワイドショーをにぎわしています。一代で築いたカリスマ創業者の親父さんと切れ者のその娘という一見珍しい対立像が興味を引き立てるのかもしれません。本当のところは他人の知る由もないことですが、ニュースソースによると根本的な経営戦略の相違がその原因らしいです。親子、それもおやじさんと娘さんなのだから、そこまでもめなくても、という意見もありましょうが、会社自体がその将来の方針を巡って2つにわかれているようで、単なる親子だからではすまない状況になっていることは傍目にも理解できます。旧来の手法に愛着とこだわりを持つ親父さんと時代の潮流を感じとりフレキシブルに対応したい娘さん、おそらく会社の幹部の方も揺れているのでしょうね。どちらが正解なのか?神のみぞ知るでしょう。世の中の評価は所詮結果論です。結果次第で“創業時の精神にたちもどる”ことを賞賛することもありましょうし、旧来の手法にこだわり続けた時代錯誤とこき下ろすこともあるのでしょう。あまりこのもめごとが長引くと大塚家具というブランドに傷がつき、業績にも響くというのはワイドショーの共通のコメントです。確かにこれは正論のようですが、私は会社にとってプラスも大きいように思えます。なにしろ昼間のいい時間帯で司会者やコメンテーターが“大塚家具”と何度口にすることか。宣伝効果は抜群でしょう。それに対立の理由が怨恨等のドロドロしたものでなく、純粋な会社経営路線の対立のようですし、企業としてそのような議論ができるのはある意味健全とも受け取れます。この親子喧嘩をみて、次の休みにでも、大塚家具のショールームにでも行ってみようかな、と思った人いるんじゃないかな。“まさか”とは思いますが、これはもしかしたら筋書きのある親子喧嘩なのかと思ったりもします。もし、そうだったらこの作品は池井戸潤にも負けないし、脚本を書いた人はなかなかなもんです。なによりそれを演じる親父さんと娘さんも相当な役者ですよ。渡る世間も真っ青かもしれません。世間の人もいろいろ憶測しているのでしょうね。大塚家具の株価も上昇だそうですよ。でも長引くといいことはないでしょう。さてさて、この筋書きの行方、そろそろケリをつけなきゃいけません。

日本・海外を問わず一代で築きあげたカリスマ経営者はたくさんいます。日本だけに目を向ければ、パナソニックの前身、松下電器の松下幸之助さんはその代表株と言えます。パナソニックは日本を代表する大企業にまで大きくなりましたからその経営は傍目からは盤石に思えます。ただ、その一方で、カリスマ性を持つ創業者の晩年やその引退後に築きあげたものが怪しくなることもあります。その典型的なのはダイエーでしょう。大阪のど真ん中にあった南海ホークスを福岡に連れ去ったときの勢いを知っているだけにその凋落は信じられないものがあります。ところで代が代わると言えば、“ジャパネットたかた”、息子さんが社長になり、その経営方針も決しておやじと同じではないようです。古いものが残るのがいいのか、消え去るのがいいのか、その結果を知るのは時間のみ。数年後に“ジャパネットたかた”はどうなっているのでしょうか。野次馬根性が騒ぎます。さて、私が働いている桜橋渡辺病院、名前にあるとおり渡辺先生が院長で二代目です(ちなみに桜橋は病院のある地名です)。昭和42年に先代院長が消化器外科の病院として当地に旗揚げしてもうすぐ50年になります。その間に時代を先取りするように循環器の専門病院に変貌しました。循環器分野での有能なスタッフが集まり、研修施設として若い研修医や看護師等のパラメディカルの勉強にも申し分ない環境です。そして、なにより大学病院にも、国立循環器病センターにも引けをとらない医療レベルを維持しているのが特筆すべきところでしょう。近い将来、三代目に引き継がれるでしょうし、お家騒動とは無縁に思えます。

(追記)先月までのつぶやきに誤字が多いという指摘を当院の某師長さんから受けまして、今月からその師長さんの検閲を経て、HPへの掲載となりました。そのため掲載が遅れました。来月からは検閲を経て月初めに掲載できるようにしたいと思います。