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副院長のつぶやき
副院長 林 行雄
京大くん
2015年5月13日 つぶやき73
予想通りとでも言いましょうか、大河ドラマの視聴率が10%を切って、復調の兆しみられません。やっている俳優さんが悪いとは思えないのですが、根本的に話が面白くないと言うか、役者さんのセリフもなんか表面的で迫るものを感じませんね。脚本が今ひとつと言ってしまえばおしましですが、幕末から明治の初期は歴史の中でも数年の間に激動し、歴史的にはとても面白い反面、それがかえってわかりにくいためか一般受けが難しい時代であるのも事実です。戦国時代は大名というヒーローがいて、そこに焦点をあてればわかりやすいし、適当にいくさの場面を入れて、少々誇張して描いても大衆受けもしますが、幕末はそれほど単純じゃないところがイタイところです。それでも大河ドラマで幕末はよく取り上げられてきましたし、最近では“篤姫”と“八重の桜”のように、あまり歴史上は有名でない女性(中学の歴史の教科書にはほとんど出てこないという意味です)を取り上げて、女性目線に巧みに史実を組わせて、うまくやってきたように思います。それで篤姫や八重の名前が全国区になりました。篤姫は薩摩藩、八重の桜は会津藩、とくれば次は長州という順送りもあったのでしょうね。薩摩で幕末といえば西郷隆盛、会津なら白虎隊と日本人ならだれもが思い浮かぶ名前がありますが、長州ならあえて高杉晋作くらいですか。吉田松陰も歴史上は重要な人物ですが、玄人受けする人物でちょっと一般的には影が薄いかな。長州をやりたかったなら伊藤博文に絡ませればよかったのにと私は思っています。それは彼が松下村塾で学び、のちに初代首相になり、以前は千円札の表を飾っていたからではないのです。彼を取り上げればおのずとドラマは幕末から明治、そして日清、日露戦争に至ります。そう、まさに数年前にヒットした“坂の上の雲”と同じ時代の流れを追っていけばいいし、見せ場をたくさん作れます。日本が明治時代に先進国の仲間入りをするために必死になっていた、まさに上昇機運に乗った時代、それは多くの日本人の誇りに響く話でしょう。

さて、これから本題です(本文を校閲している師長さんから前置きが長すぎるとクレームがありました)。4月29日に今年、京都大学から初めてプロ入りしたロッテの田中投手が初のプロ先発マウンドに立ちました。彼をマスコミは京大くんと呼んでいるようですが、田中投手見たさに千葉マリンフィールドが満員になったのですから、その経済効果は大したもんです。インターネットで追ってみると初めの2人に連続四球、ランナー貯めてタイムリーとお世辞にもいい結果ではありませんでした。いわゆる地に足がつていなかったという表現がピッタリ。おそらく大学受験より緊張したことでしょうし、本人もわけのわからないうちに終わってしまったというところではと思います。3回5失点でKOでしたが、1軍のマウンドで9つアウトを取ったという事実は前向きに考えたいですね。結果だけ見れば、即2軍で再調整、というところでしょうが、ロッテの伊藤監督は5月1日に中継ぎとしてもう一度登板の機会を設けました。ただ、前回を再生したような結果で、四球で自滅してしまいましたので、結局2軍調整となったようです。問題点は明確で、コントロールが問題なんですが、彼はそれほどノーコンではないのです。ただ、学生野球とプロでは当然、許されるコントロールの質が違うのは明確ですし、頭脳明晰な彼のことです、その違いを十分に感じたはず、次はこの経験を生かしてくれると期待しています。

田中投手が2軍である程度の結果を残したのは事実ですし、それはフロックではないでしょう。そして、この時期に1軍のマウンドに立ったことは評価されてもいいと思います。もちろんロッテとしてはその経済効果も期待して、GWの初っ端にもって来たでしょう。彼が大学生の時に所属していた関西学生野球というリーグは関大、関西学院、同志社、立命館(いわゆる関関同立)、近大、京大で構成されています。私の世代であれば、ご存じと思いますが、以前は関西6大学野球と言われ、東の関東6大学野球と対抗する学生野球のトップリーグでした。ただ、最近では関東も関西も新興リーグにおされ、関西学生野球のトップ選手でもなかなかプロでは結果が残せていません。私はタイガースの選手しかあまり存じあげないですが、俊介(藤川)選手は近大の中軸を打っていたし、2軍が長い左腕の藤原投手(誰ですかと突っ込まれそうですね)は立命館の主戦投手でした。そんな理由で、田中投手もすぐには結果が残せなくてもいいのです。あんまりうまくいくとかえって恨まれますよ。頭のできがいいのは証明ずみ、京大ですからね。大昔、私が小学校のころ、タイガースのエースの村山実投手(若い人は知らんでしょうな)は関大だったし、ちょっと最近では楽天の初代監督の田尾さんは同志社でしたし。大阪の高校野球だと大阪桐蔭ではタイガースの藤浪、岩田、西岡、それにファイターズの中田、履正社ではオリックスのT岡田とか、結構出てるんですが、ちょっと関西の学生野球出身者の元気がないのはちょっと残念ではあります。

話を京大くんに戻しますが、ほぼ満員のホームグラウンドでピッチャーマウンドに立つ、というのはどんな気分なんでしょうかねえ。これだけでも“選ばれしもの”という印象です。40年以上前は高校球児の端くれでしたが、想像もつかない世界です。私事ですが、子供のころ、大人になったら文部大臣になって満員の甲子園のマウンドにたって本当のストライクの始球式をしてみたい、と思っていました。もっともそんな夢は忘れて、いつしか政治とは関係ない道を進んで参りました。もし、こどものころに戻ってやり直せたら、夢を追いかけるでしょうか。オレ語学力ないしなあ、やっぱ文系はきついよね。