お知らせ
NewsTAVI(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)開始
大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症とは、心臓の左心室と大動脈を隔てている大動脈弁が石灰化などにより硬くなり十分に開かなくなる病気です。動脈硬化が原因であることが多く、近年では高齢化に伴って増加傾向にあります。この病気は、無症状のうちに心雑音の指摘で発見されることもありますが、狭窄が進行すると、息切れ、胸痛、失神、動悸や呼吸困難などの心不全の症状が出現します。狭心症状が現れると5年、失神が現れると3年、心不全をきたすようになると2年が平均余命と言われています。また重度大動脈弁狭窄症の特徴として突然死が生じることもあります。重度大動脈弁狭窄症に進展し症状を自覚するようになると比較的早く進行することがわかっています。自覚症状を認める場合には早期の治療が必要です。
TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)
大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は高齢など周術期リスクが高い方に対する低侵襲治療として開発された治療法で、本邦では2013年より保険償還されています。根治的な治療でありながら傷口が小さく、治療時間や入院日数が短いなどのメリットがあります。近年、デバイスの進歩や手技の安定化により良好な治療成績が報告されており、適応の対象となる症例も拡大されています。当院では、循環器内科・心臓血管外科を含むハートチームが長期的な予後を改善すべく、様々な議論の上で各患者様にとって至適な治療選択を提示できるよう努めています。
治療までの流れ
大動脈弁狭窄症の診断や重症度は心エコー図検査で評価を行います。また、TAVIの具体的な治療方法の決定には造影CT検査での評価が必須です。この他に心電図や採血検査などを行い、データを総合的に評価しハートチームで適応を決定します。ハートチームでの方針に加えて患者様や家族様の希望の聞き取りを行い、TAVIを決定します。
各種の検査は外来で行いますが、遠方在住や足腰が悪いなどの理由で通院検査が困難の場合は入院で対応致します。
入院期間の目安と退院後の管理
入院期間の目安は1週間程度が目安です。治療後は翌日には歩行開始し早期退院を目指します。ご高齢や体力の低下がある場合などは追加でリハビリテーションを行うなど、患者様の体力レベルに合わせてハートチームでサポートします。
退院後は外来で弁機能・心機能の評価を定期的に行います。
治療費用に関して
TAVIは健康保険が適用されます。詳しくは病院窓口にてお問い合わせください。