メニュー
副院長のつぶやき
副院長 林 行雄
雨談義
2017年11月2日 つぶやき103
 お天気といえば、晴れ、曇り、雨(地方のよっては雪)のいずれかですが、この中で一番ありがたいのはやっぱり晴れでしょう。でも、何か波乱が起きたりとか、何かと話題になったりする場面には雨、それも激しい雨が似合います。歴史をたどれば、源義経が嵐の中、今の大阪市浪速区あたりの港から強行出航して、屋島の平氏を奇襲した話や織田信長が桶狭間の戦いで10倍近い兵力差がありながら、時ならぬ嵐に身を隠し今川義元の本陣を奇襲して義元を打ち取った逸話(雨は降ってなかったというのが本当の史実らしいですが)など、激しい雨に脚色されると何かと臨場感が増します。

 秋の長雨という言葉があります。夏から秋に季節が移行する9月から10月の初めに不安的な天気が続くことを言いますが、雨量はそれほどではないことがふつうです。September
rainというだけでちょっと絵になる風景が浮かびます。これが終わる10月は台風さえ来なければさわやかな晴天に恵まれ、いわば運動会日和となるはずでしたが、今年の10月は例年になく雨、それもかなりの雨に見舞われた珍しい月でした。そのうえ台風も2回、それもわざわざ日曜日に関西においでくださるという律儀さでした。わがタイガースはその甲子園の雨に泣かされ、CS1回戦で終わってしまいました。甲子園は日本一水はけのいい球場ですから、高校野球も少しくらいの雨なら強行するのも珍しくありません。でもいくら水はけがいいとはいえ、あのグラウンドコンディションでは高校野球でもありえない、文句がひとつやふたつでないタイガーズファンは多いと思います。日程が詰まっていたという言い訳も理解できないわけではないですが、それは管理者側の危機管理の甘さであり、そのつけを選手とファンに押しつけるのはやはり納得はできないですね。まあ、タイガースが勝っていればそれも笑い話で終わったと思いますが‐‐‐。でも経営面からいえば、エキストラの試合が3つも増えて阪神球団だけは雨の中ヱビス顔だったことでしょう。

 甲子園の雨といえば、いくつかの高校野球と雨のエピソードがありますが、私達の還暦前後の世代では翌日の新聞が“泣くな、江川”と書きたてた当時の作新学園のエースで、怪物江川と言われた江川卓投手(巨人)をあげる方も少なくないと思います。当時の江川投手は高校野球に一人プロ野球選手がいる、と言われ、相手がバットに当てただけで甲子園が沸いた、というエピソードがあるまさに超高校級でした。それは今年の清宮選手以上のスケールであったと思えます。その江川投手も雨中の銚子商業との延長戦、雨でボールがすべるのでしょう。充分なコントロールがつかず、押し出しサヨナラで甲子園を後にしました。私はテレビの前で最後のシーンを見ていました。最後の1球は大きく高めに外れたのですが、スピードを殺してストライクを取りに行くという選択肢もあったでしょうが、あえて渾身のストレートであったと思います。それは今でも忘れられないシーンですが、CS第2戦の泥沼甲子園も別の意味で一生忘れないような気がします。

 さて、いよいよ11月となり、今年もあと2か月を残すのみとなりました。月並みですが、早いものです。昨年の11月の“つぶやき”でも触れましたが(誰も覚えてないよ、と突っ込まれるでしょうね)、毎年11月の後半に医療安全推進週間が設けられています。プロ野球機構の危機管理不足が招いたタイガースの敗退は時がたてば笑い話になるでしょうが、医療での危機管理不足はそうはいきません。今年のテーマは5S活動です。整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つのキーワードをローマ字変換するとすべてSから始まるのでこのような名前がついています。言葉の意味と医療現場とはちょっと似合わないと思われる点もあるでしょうが、意味するところは以下の通りです。

1.整理:必要なものと不要なものを分け、不要なものは捨てる。

2.整頓:必要なモノがすぐに取り出せるように、置き場所、置き方を決め、表示を確実に行う。

3.清掃:掃除をしてゴミ・汚れのない、きれいな状態にすると同時に、細部まで点検する。

4.清潔:整理・整頓・清掃を徹底して実行し、汚れのないきれいな状態を維持する。

5.しつけ:決められたことを、決められたとおりに実行できるように習慣づける。

これらの事項のレベルアップにより業務効率の向上と医療事故防止をめざしています。そしてそれが患者満足の向上を達成していくことにつながります。もしかしたら、患者様やそのご家族も巻き込むこともあるかもしれませんが、何卒ご理解とご協力をお願いいたします。