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副院長のつぶやき
副院長 林 行雄
麒麟は帰ってきたが
2020年10月6日 つぶやき138
 9月の終わりごろから急に温度が下がりだし、朝の通勤時も心地よいくらいの体感温度です。春先と今の季節が日本では一番過ごしやすい季節であることは異議のないところです。ただ、温度の低下とともにわずかではありますが、東京、埼玉、神奈川のいわゆる首都圏で新型コロナの患者数が上昇に転じています。大阪ではまだ上昇には転じてませんが、首都圏でこのまま第3波となって再度流行が拡大するかもしれず、そうなると大阪にもその波が来るのは時間の問題といえましょう。

 コロナの影響で中断していた”麒麟がくる”が再開されました。前半の最後が桶狭間の戦いでちょうどいい区切りでした。明智光秀の生い立ちについては確かな証拠もほとんどないためその青年期を語るにはある程度の想像と時には空想が必要です。ドラマですから事実かどうか、を論じるのはさておき、話としては面白かったと思います。ですから麒麟の再開を待ち遠しく思った方は私を含めて多かったでしょう。ただ、再開後のの麒麟にはちょっと失望です。なんかスピード感が乏しく、光秀がウダウダしている。さかんに越前を抜けて京には行くし、松永久秀にも友達感覚で会いに行く、そんな時間稼ぎをしていてこの話終わりますか、と言いたくなります。これからの半年、一番の注目は何といってもなぜ本能寺に至ったか、ではないでしょうか。従来から悪役の汚名を着せられていた光秀が主人公というところが大いなるギャンブルで、主人公にしたからには従来の怨恨説とか、野望説ではだれも納得しません。きっと、何かをやってくれるはずとNHKに期待しているわけです。足利義昭が登場し、ようやく光秀も歴史の表舞台に出てきますので、これからが光秀が本当の主人公として話が進むはず、このところのウダウダした話にその伏線があるかもしれませんが、今のところ信長ともうまくいっていますし、これがどのようにこじれていくのか、時間はいくらあっても足りない気がするんですけどやはりイラつきますねえ。この期に及んで東庵先生と駒ちゃんと太夫の出番も多い、この二人は架空人物なのにどうゆう意図の演出か、???の三連符です。

 大河ドラマは以前ほどの視聴率は得られなくなったものの民放の連続ドラマで半沢直樹と大門は別にして、ここまでの視聴率に行くのは容易ではないでしょう。その主人公にかかわりのある地方では大河にその名前が出れば、格好の宣伝になります。光秀といえば、岐阜県ですが、残念ながらその出生の地や幼少期をすごしたところは確定できていませんので、どこかが光秀出生の町との宣伝をしてもちょっと説得力不足といえます。半面、これからの光秀の活躍はほぼ歴史的な確約が取れていますので大いに集客に役立つはず。光秀の最後の居城は大津にあった坂本城ですし、光秀が統治した丹波の亀岡、福知山はまさに光秀のおひざ元。本能寺の前夜に先勝祈願し、おみくじを引いたとされる愛宕神社は亀岡市にあり、本能寺の後、秀吉に敗れた山崎の戦いの”山崎”は大阪府と京都府の境にあります。これらの地方にとってはおのが町の名前がドラマに出るのを今や遅しと待っておられることでしょう。

 昨今の新型コロナ感染で打撃の大きい旅行関係業を援助するために政府主導の”GO to トラベル”は非難を受けつつも利用された方も多いのではないかと思います。旅行をするには何らかの大義名分がいると私は思っています。ぶらりあてのない旅行こそいいもんだ、という反論もあるでしょうが、今は目的のない旅行をのんびりできる雰囲気は感じられません。海外旅行がままならない現状では旅行好きにとっては国内旅行でもありがたい。そんな旅心を刺激するに大河ドラマは格好の材料だと思います。光秀の活躍はこれからが本番です。歴史に基づいたドラマでありながら、スピード感があり、飽きささない展開を期待し、最後にどんな本能寺を描くのか、楽しみにしています。願わくば、途中で見るのやめた、という事態にならないことを祈りつつ。