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副院長のつぶやき
副院長 林 行雄
いよいよリオです
2016年8月4日 つぶやき88
タイガースの失速は頭の片隅にはありましたが、長期ロードを前にして早々と周回遅れになり、かの暗黒時代に舞い戻った感があります。4回前のつぶやきでこの時期、まだタイガースが優勝戦線に踏みとどまっていればリオと重なった熱い夏という期待を述べましたが、残念です。今のタイガースにメイクドラマはないでしょう。開き直って、残りいくら負けても来シーズンへの投資と思うことにしました。

さて、いよいよ四年に一度のスポーツの祭典です。日本のメディアはこの時期、期待値をいくらか上乗せして、様々な競技の有望選手を取り上げ、オリンピックを盛りあげています。でも、今回はその前にロシアの組織的なドーピングに関する報道があって、日本選手団の報道はちょっと抑えられてしまったように感じます。

柔道、体操男子、女子レスリング、水泳では多くのメダルを期待したいものです。少々残念なのは今回、団体のボール競技でのメダル獲得がどうかな?という点です。個人種目のメダルもいいですが、団体競技は同じ1個のメダルでも少し重いように思えます。私と同じ世代の方々はメキシコ(1968年:小学5年生でした)のサッカーの銅メダルとミュンヘン(1972年:中学3年生でした)の男子バレーの金メダルは今でも忘れられないのではないでしょうか。そのころの男子体操は日本の黄金時代で、メダルを量産しましたが、それでも私の記憶に一番鮮明に残っているのはこの2つです。女子バレーはロンドンで銅メダルでしたし、当然期待もできるのですが、なんかちょっと私は悲観的です。オリンピックは短期決戦ですから、団体競技では勢いがつけば何が起こるかわかりません、もしかしたらと女子バスケットボールが、と私はこちらに注目しています。男子はサッカー、ラグビーと水球で出場権を得ましたが、世界の壁は厚いでしょう。予選突破すれば拍手、拍手でしょうね。陸上は個人競技ですが、その中での唯一の団体競技のリレーは期待しています。400mではこれほど粒ぞろいの4人が揃ったのは過去になかったと思います。北京での銅メダルは有力国の失格に助けられた感がありましたが、今回は本当に実力で世界3位になれるかも、とわくわくしています。

さて、オリンピックの話題を独占してしまったドーピングですが、ロシアは国家ぐるみでやっていたと指摘されています。もちろん、やすやすと”そのとおりです。申し訳ございません。”とは言わないでしょうから、真相はおそらく闇の中でしょう。ドーピングにかかわる禁止薬剤は多岐に及びますので、選手は風邪薬も簡単に服用もできません。普通のいわゆるかぜであれば、医学的に言えばあえて薬を飲む必然性はありません。しっかり食べて、ゆっくり休めばそのうちよくなります。でも、その間練習はできません。世界のトップレベルとなると1日練習を休むというのは問題でしょうし、特に大会前は大きなリスクとなるのだと思います。そうすると病気にならないために何をすれば一番効率的なのか、はオリンピックで勝つための重要な国家戦略となるように思えます。そんなこと、お前に言われなくてもやっているよ、と言われるかもしれませんが、確立されたものはないように思えます。単純に考えれば体の中にある免疫能を高めれば、外部から侵入する細菌やウイルスを退治してくれるので、かぜやインフルエンザ等の疾患にはかかりにくくなるはず。でも下手に薬を使うとそれでドーピングだと指摘されたり、たとえ今はごまかせても、後々そうだったとばれることもあるかしれません。
そこで、前回のコーヒーの話ではないですが、長期的な視野にたって食べるものをうまく利用して、病気に強い肉体を作り上げることができればと思います。また、日本人は欧米の方々に比べると遺伝的に小型です。バレーやバスケットボールでは長身長が断然有利です。でも、日本人みんなが小型というわけではありません。相撲の力士の方々はあれだけ大きくて、重くても、動きは機敏で肉体は柔軟で、体脂肪率はむしろ私達より低値です。日本人でもやりようによっては大きくて俊敏な肉体を得られる、そこには相撲界が江戸時代から脈々と受け継がれたノーハウがあるように思えます。時間はかかりますが、食べるものや日常の習慣でそれぞれの競技に適した肉体を、それも少年期から長期的視野で作ることもオリンピックで勝つための国家戦略になるように思えます。そのためには食べ物もより適したものに改良する、そのためには遺伝子操作も駆使する、そんな戦略的品種改良が盛んになり、その結果、10か20年後には、今はお目にかかれないオリンピック仕様の新野菜とか新果物が登場するかもしれません。それにより、各競技にマッチした日本人が金メダルを量産、まあSFのような世界ですが、実現する可能性は皆無でしょうか。万が一、成功したら、それを目にした世界はそれもドーピングだと、と言い出すかもしれませんし、そうなればとても愉快です。実現できるかはさておき、この研究プラン、私はおもしろいと本気で思うのですがねえ。