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副院長のつぶやき
副院長 林 行雄
プロ野球改編案
2019年5月7日 つぶやき121
 年号が代わりました。平成の30年間にずいぶんと皇室と私達の距離が近くなったように思います。それは自分が歳を重ねたこともあるしれませんが、やはり前の天皇・皇后両陛下のお人柄のなせるわざと思えますし、素晴らしい両陛下であったと思います。特に前皇后陛下が神戸の震災にお見舞いに来られた折、帰りのバスの窓越しに手話で”がんばって”とされたシーンは今でも脳裏に刻まれています。
 暦の上では平成の時代に始まった今年のプロ野球ですが、予想通りとはいえタイガースのスタートは散々たるものでした。ジャイアンツに勝てない、それも6連敗。さらにどのゲームも勝負にならない、昔、桑田、清原のいるPL学園といい勝負と揶揄された時代に戻ってしまったなあ、と失望は隠せませんでした。でも平成最後に運がめぐって来て、絶不調の横浜に助けてもらって、令和に入ってからは妙に好調です。ただ、長いペナントレースですし、戦力的には贔屓目に見てもAクラスもどうかな?、というところ。戦前の予想では5位か6位でしたので、それを思えばがんばっているという見方もできますが、秋に楽しいことを期待するのは今年はやめておきましょう。

 現在プロ野球はセとパの2つのリーグに各6チームがしのぎを削っています。秋にはクライマックスシリーズ、日本シリーズという大きなイベントがあります。特にクライマックスシリーズが導入されて、ペナントレースで3位に入れば、日本シリーズに出られる可能性がありますので、昔はよく見られた消化試合がずいぶんと減ってますし、みてる方も楽しみが増えました。プロ野球も一種のエンターテェイメントと思えば、クライマックスシリーズもいいアイデアですし、そのたびに登場する”下克上”という言葉もおなじみになりました。一方、ペナントレースで1位になっても日本シリーズに出られないこともあり、この制度の問題点としてそのたびに指摘されてきました。

 なかなか誰もが納得という制度は難しいでしょうが、私は一つの案として両リーグを統合して、サッカーのように1部と2部に分けることを提唱したいと思います。令和元年の両リーグの1~3位までの6チームで1部、4~6位までが2部で来年度はスタート。当然1部の優勝が日本一。そして1部の下位3チームと2部3チームを大胆に入れ替えて翌年度はスタートというのが骨子です。この入れ替えも無条件とするか、入れ替え戦を組むか、という選択肢もあると思います。これだと今のクライマックスシリーズと同じように最後まで消化試合は減る、というか、もっと真剣になるように思えます。じゃ、日本シリーズはなくなるの?。なくなってもいいと思いますが、秋にもうひと興業と考えるなら一部リーグを前期・後期にわけてそれぞれの優勝チームで日本シリーズでもいいし、もし、前期と後期と年間王者が違う場合は前期後期で1回戦、勝った方が年間王者と日本シリーズでも盛り上がるように思います。まあ前期、後期が同じチームだと秋のイベントがなくなるというリスクはありますけどね。そしてオールスター戦は1部、2部の対抗戦3試合、もし、2部が勝ちこした場合は秋の入れ替えを1チーム増やすとか、1部3位と2部4位との入れ替え戦、というプレミアをつけたら見てる方も楽しいし、選手も真剣にならざるを得ません。この制度だとお祭りムードのオールスターが真剣勝負となり、選手には嫌がられるでしょうが、見ている方を優先としていただければ、こんな企画もあってもいいかなと思っています。

 実はこの制度、私は阪神ファン向けだと思っています。阪神ファンが巨人ファンと根本的に違うとところ、巨人ファンは優勝が至上命令ですが、阪神ファンは何でもいいのです、何かイベントがあれば盛り上がる集団というところ。だから甲子園での1勝でも、ここぞとばかり六甲おろしで盛り上がる。もしこの制度で行けば阪神はおそらく来年度は2部スタート、でもここで3位までに入れば、1部昇格、これでも十分なイベントだと思えます。優勝は当面無理でしょうが、1昇格や1部残留なら結構な確率で起こりうるはずですので、秋の楽しみが増えるはず。それにもし巨人が2部に落ちることがあったら、阪神が2部の最下位でも楽しくないですか。もちろん1部優勝、日本一をあきらめたわけではありませんが、すぐには厳しいでしょう。昨年の阪急阪神ホールディングスの株主総会でのある株主の方から “俺が死ぬまでにもういちど阪神の優勝を見せてくれ”という発言があったそうです。この切実な意見、私も大いに共感します。令和での優勝、果たしてあるのでしょうか。