現在プロ野球はセとパの2つのリーグに各6チームがしのぎを削っています。秋にはクライマックスシリーズ、日本シリーズという大きなイベントがあります。特にクライマックスシリーズが導入されて、ペナントレースで3位に入れば、日本シリーズに出られる可能性がありますので、昔はよく見られた消化試合がずいぶんと減ってますし、みてる方も楽しみが増えました。プロ野球も一種のエンターテェイメントと思えば、クライマックスシリーズもいいアイデアですし、そのたびに登場する”下克上”という言葉もおなじみになりました。一方、ペナントレースで1位になっても日本シリーズに出られないこともあり、この制度の問題点としてそのたびに指摘されてきました。
なかなか誰もが納得という制度は難しいでしょうが、私は一つの案として両リーグを統合して、サッカーのように1部と2部に分けることを提唱したいと思います。令和元年の両リーグの1~3位までの6チームで1部、4~6位までが2部で来年度はスタート。当然1部の優勝が日本一。そして1部の下位3チームと2部3チームを大胆に入れ替えて翌年度はスタートというのが骨子です。この入れ替えも無条件とするか、入れ替え戦を組むか、という選択肢もあると思います。これだと今のクライマックスシリーズと同じように最後まで消化試合は減る、というか、もっと真剣になるように思えます。じゃ、日本シリーズはなくなるの?。なくなってもいいと思いますが、秋にもうひと興業と考えるなら一部リーグを前期・後期にわけてそれぞれの優勝チームで日本シリーズでもいいし、もし、前期と後期と年間王者が違う場合は前期後期で1回戦、勝った方が年間王者と日本シリーズでも盛り上がるように思います。まあ前期、後期が同じチームだと秋のイベントがなくなるというリスクはありますけどね。そしてオールスター戦は1部、2部の対抗戦3試合、もし、2部が勝ちこした場合は秋の入れ替えを1チーム増やすとか、1部3位と2部4位との入れ替え戦、というプレミアをつけたら見てる方も楽しいし、選手も真剣にならざるを得ません。この制度だとお祭りムードのオールスターが真剣勝負となり、選手には嫌がられるでしょうが、見ている方を優先としていただければ、こんな企画もあってもいいかなと思っています。
実はこの制度、私は阪神ファン向けだと思っています。阪神ファンが巨人ファンと根本的に違うとところ、巨人ファンは優勝が至上命令ですが、阪神ファンは何でもいいのです、何かイベントがあれば盛り上がる集団というところ。だから甲子園での1勝でも、ここぞとばかり六甲おろしで盛り上がる。もしこの制度で行けば阪神はおそらく来年度は2部スタート、でもここで3位までに入れば、1部昇格、これでも十分なイベントだと思えます。優勝は当面無理でしょうが、1昇格や1部残留なら結構な確率で起こりうるはずですので、秋の楽しみが増えるはず。それにもし巨人が2部に落ちることがあったら、阪神が2部の最下位でも楽しくないですか。もちろん1部優勝、日本一をあきらめたわけではありませんが、すぐには厳しいでしょう。昨年の阪急阪神ホールディングスの株主総会でのある株主の方から “俺が死ぬまでにもういちど阪神の優勝を見せてくれ”という発言があったそうです。この切実な意見、私も大いに共感します。令和での優勝、果たしてあるのでしょうか。