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心臓血管外科
心臓血管外科について
心臓及び血管の手術は患者様の全身疾患(多くは動脈硬化)に対する治療体系の中の一部であり、内科的治療成績と外科治療成績の関係によって治療方針が時代と共に変遷してきており、今後も徐々に変わっていくことが予想されます。心臓血管外科手術が始まり約40年を経て、人工心肺を用いた手術はほぼ確立され成績も安定してきました。現在は患者様の体に対してより低侵襲かつ質の高い(長期成績が良好又はQOL(生活の質)が格段に改善する)治療法が開発され、行われつつあります。そこで、我々の施設での取り組みについてご紹介します。
実績紹介
  2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
全開心術
(off pump CABG・
胸部大動脈瘤を含む)
173例 170例 175例 180例 169例
腹部大動脈瘤手術・
末梢血管手術・その他
52例 34例 14例 24例 65例

※off pump CABGとは人工心肺装置を使用せずに行う、冠状動脈バイパス手術の事です。

*2013年以前の症例数はこちら

心臓血管外科の取り組みについて
1.虚血性心疾患
オフポンプ冠動脈バイパス術
冠動脈バイパス術では、より低侵襲化を目指した人工心肺を用いない心拍動下冠動脈バイパス術(オフポンプ)を行っています。人工心肺を用いない為、術後早期回復、術後合併症頻度の低下、早期退院、無輸血手術などが期待できます。特に高齢者、脳、肺、肝、腎障害などを合併したリスクの高い患者様に有用であると考えられます。これにより術後の合併症もごくわずかになり、術後10日から週間の早期に退院して頂いています。

動脈グラフトの多用
バイパスグラフト材料として以前は大伏在静脈(足の内側の表面近くを走る静脈)が良く使われていましたが長期開存性に問題があり、長期開存が期待できる両側内胸動脈(胸の内側を走る動脈)、両側橈骨動脈(前腕にあり、よく脈取りに使われる動脈)、右胃大網動脈(胃を養っている動脈の一本)などを多用しています。これにより長期生存率の改善、狭心症再発率の減少が期待できます。以下にオフポンプで動脈グラフトを使用した症例の術後造影を示します。

虚血性心疾患

2.心臓弁膜症と不整脈
弁膜症に対する手術法は、人工弁による弁置換術と弁修復術があります。新世代の人工弁は機能・耐久性とも格段に向上していますが、ワーファリン(血液を固まりにくくする薬)を服用しなくてはならずそれによる出血等の副作用もあります。一方、弁修復術は自己弁温存を図るものでありワーファリン服用の必要がありません。当院では弁修復術、特に僧帽弁に対する修復術を積極的に行っております。また僧帽弁疾患には心房細動が合併することが多いですが、それを洞調律に戻すメイズ手術も積極的に行っています。これらにより心房細動を伴う僧帽弁閉鎖不全症の患者様に対し、修復術+メイズ手術によって自己弁温存+洞調律となり術後の心機能、QOL両面で格段に向上することが期待されます。以下僧帽弁修復術+メイズ手術後の心電図を示します。

臓弁膜症と不整脈

3.胸部・腹部大動脈瘤
大動脈瘤の治療は外科的手術が基本です。ただ高齢者、脳・肺・心臓・腎臓などの合併症を有したリスクの高い症例に対してはカテーテルで行えるステントグラフトが良い適応になると考えられ、当院では関連施設と協力して行っております。

胸部・腹部大動脈瘤

スタッフ紹介
役 職 副院長 心臓血管外科部長 関谷 直純
氏 名 仲村 輝也(なかむら てるや)
卒年度 1992年
専門分野 成人心臓外科(弁膜症、冠動脈疾患、不整脈外科)
大動脈外科(胸部および腹部大動脈瘤)
低侵襲手術(MICS、血管内治療)
末梢血管外科
学会・資格等 三学会合同 心臓血管外科修練指導医
日本外科学会 専門医・指導医
日本胸部外科学会 専門医・評議員
日本心臓血管外科学会 評議員
アメリカ胸部外科学会(STS) 国際会員
アジア心臓血管外科学会 正会員
ECFMG certificate
コメント 僧帽弁形成術、心拍動下冠動脈バイパス術、胸部大動脈瘤手術を得意としています。ご高齢者、ハイリスク患者様を多数手がけています。最新のガイドラインに基づいた適切な治療を提供します。緊急手術も含めてあらゆる手術に対応し、地域の循環器医療をしっかり守ります。
役 職 心臓血管外科部長 心臓血管外科部長 関谷 直純
氏 名 関谷 直純(せきや なおすみ)
卒年度 1998年
専門分野 心臓血管外科全般
冠動脈外科、弁膜症外科、大動脈外科、低侵襲心臓外科手術
学会・資格等 日本外科学会 専門医・指導医
3学会構成 心臓血管外科専門医・修練指導者
日本循環器学会 循環器専門医
日本胸部外科学会 正会員
日本心臓血管外科学会 国際会員
関西胸部外科学会 評議員
腹部ステントグラフト指導医、胸部ステントグラフト実施医
下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医
コメント 心臓血管外科手術は日進月歩であり、それぞれの患者様にとって最適な手術法が選択できるようになってきました。予定、緊急を問わず、最新の知見に基づいた方法で、正確かつ安全な手術を心がけております。どうぞよろしくお願いいたします。
役 職 医員 医員 中江 昌郎
氏 名 中江 昌郎(なかえ まさろう)
卒年度 2011年
専門分野 成人心臓血管外科全般
冠動脈外科、弁膜症外科、大動脈外科
学会・資格等 日本外科学会 専門医
3学会構成 心臓血管外科専門医
日本胸部外科学会
日本心臓血管外科学会
日本循環器学会
日本心臓病学会
日本移植学会
コメント 患者様が治療前よりも元気に日常生活に戻っていただけるよう、丁寧な手術を心がけております。
役 職 医員 医員 佐藤 智
氏 名 佐藤 智(さとう さとる)
卒年度 2017年
専門分野 成人心臓血管外科全般
学会・資格等 日本心臓血管外科学会
日本胸部外科学会
日本血管外科学会
日本外科学会
腹部ステントグラフト実施医
下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医
コメント 技術の進歩は素晴らしく、安全・低侵襲な手術が当たり前になりつつあります。しかし患者様にとっては命懸けの手術であることに変わりはありません。少しでも良い手術を受けて頂くために日々努力して参りますので、どうぞ宜しくお願いします。
病める方に寄り添えるような人間でありたいと考えています。何か分からないことがあれば、いつでも気軽にお訊ね下さい。相手が病気ですから辛いこともあるとは思いますが、一緒に乗り越えていきましょう。